従業員51人以上までの厚生年金の適用拡大を明記

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政府の全世代型社会保障検討会議は2019年12月19日、中間報告を取りまとめ、年金、労働、医療、介護などの各分野における社会保障制度改正の具体的な方向性を示した。今夏には最終報告をまとめる方針。
年金の改正事項に関しては、令和2年の通常国会に改正法案を提出することも確認した。

年金関係では、厚生年金(被用者保険)の適用拡大を進める。短時間労働者に対する企業規模要件は、現行の従業員501人以上を51人以上まで拡大すると明記。

ただ、中小企業や短時間労働者比率の高い業界の事業者負担の増加に配慮し、適用は2022年10月に101人以上規模、24年10月に51人以上規模と段階的に拡大するとともに、生産性向上への支援等を図るための必要な財源を確保するとした。

在職老齢年金に関しては、60歳~64歳に対する在職老齢年金の基準額(28万円)を引き上げる。
就労促進の効果が一定程度確認されている観点や、2030年度まで支給開始年齢の引き上げが続く女性の就労を支援する観点、さらに制度をわかりやすくする観点から、65歳以上の在職老齢年金(高在老)の基準額である47万円に合わせるとした。
高在老の見直しは、高所得者の優遇だとする批判への懸念が拭えず、見送られた。

自らの選択によって高齢期の経済基盤を充実させる環境整備も進める。

受給開始年齢の選択肢を拡げ、上限を75歳まで引き上げるとともに、65歳以上の老齢厚生年金は在職中から年金額の改定を毎年行い、早期に年金額を増額させる在職定時改定を導入する。