韓国ITベンチャー企業のパワハラ事件

2018年10月30日、韓国のニュースサイトでパワハラ映像が公開され日本でも大きなニュースとなりました。
パワハラの主は、韓国国内で「ITの王様」と呼ばれロボットを開発するベンチャー企業のヤン・ジノ会長。
公開された映像は、2015年4月18日にヤン氏所有の会社のオフィスで撮影されていたようです。
ヤン会長が元男性社員に詰め寄り、「お前、いま俺がバカに見えるのか?」「死にたくないならしっかり謝れ。本気で殺すぞ」と平手打ちを繰り返し、元男性社員が土下座しているシーンもありました。
周囲では、社員たちが見て見ぬふりで仕事を続けていました。日常的に行われていたのでしょう。
そしてなんと驚くことに、この映像は会長本人が社員に撮影を指示したもので、会長はその映像をコレクションとして持ち帰って保管していました。その異常な人間性がうかがえます。

日本ではここまで分かりやすいパワハラは少なくなってきているでしょうが、依然としてパワハラは絶えません。

仮に重大なパワハラを行った社員に対して懲戒処分をしたい場合ですが、社内の就業規則にパワハラの懲戒処分が明確に規定されていることが懲戒処分の前提条件となりますのでご注意ください。
従って就業規則にパワハラによる懲戒処分を入れておいたほうがよろしいでしょう。

ただし「懲戒解雇」の様な重い処分ををする場合にはしっかりと調査をした上で、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合でないとできません。
パワハラ行為が刑法犯に該当したり、パワハラ行為が発覚後に会社の指導および懲戒処分を受けても尚改まらない場合 といった要件が必要になります。

パワハラ・セクハラがあると社内の雰囲気が悪くなるだけでなく、場合によっては会社の社会的な信用を失う可能性もあります。

まさしく「人の振り見て我が振り直せ」ではないでしょうか。