労働安全衛生法に基づく健康診断の実施をしていない企業は、労働安全衛生法違反になる為、速やかな対応が必要になります。
労働安全衛生法に基づく健康診断には下記があります。
①雇入時の健康診断(則第43条)
②定期健康診断(則第44条)
③特定業務従事者の健康診断(則第45条)
④海外派遣労働者の健康診断(則第45条の2)
⑤結核健康診断(則第46条)
⑥給食従事者の検便(則第47条)
⑦自発的健康診断(則第50条の2)
⑧特殊健康診断(法第66条第2項及び第3項、じん肺法)
⑨高圧室内作業に係る業務、潜水業務、放射線業務、特定化学 物質を取り扱う業務等の有害な業務に従事する労働者に対する健康診断(令第22条)
⑩じん肺健康診断(じん肺法)
この中で多くの企業に関わる ①と②について詳しく見ていきたいと思います。
①雇入時の健康診断
事業者は「常時使用する労働者」を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならないとされています。
ただし、医師による健康診断を受けた後、3カ月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、 当該健康診断の項目に相当する項目については省略することができます。
また所轄労働基準監督署長への報告は特に必要ありません。
②定期健康診断
事業者は「常時使用する労働者」に対し、一年以内ごとに一回、定期的に医師による健康診断を行わなければならないとされています。
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、『定期健康診断結果報告書』を所轄労働基準監督署長に報告する必要があります。
労働基準監督署の調査では、会社が労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しているかどうか、調査項目に入る可能性が充分あります。(事業規模に関わらず、一般的な健康診断はその結果に基づき健康診断個人票を作成し5年間保存する必要があります)
厚生労働省では毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付け、集中的に啓発を行っています。労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断の実施を徹底してもらうことを周知し、また健康診断の結果についての医師からの意見聴取と、その意見を踏まえた就業上の措置の実施についても企業に改めて徹底してもらうことを促しています。