石破総理大臣は所信表明演説で「最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に1500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けます」と述べました。
現在、全国平均の最低賃金は1055円の為、あと5年で達成するには毎年かなりの上昇が必要になります。
これは実現可能な目標なのでしょうか?
計算したところ、2029年に全国平均の最低賃金を1500円にするためには、5年連続で毎年7、4%の賃上げが必要になります。
ここ2年の上昇率は4%~5%程度のため、毎年7、4%の上昇はかなり難しい目標だということが分かります。(ここ10年で見ると前年度比3%台の上昇率が多かったので、4%台でも上昇率は上がっています。)
最低賃金については、岸田総理大臣の時に、政府方針として「2030年代半ばまでに1,500円を目指す」と示されていました。
つまり石破総理は5年以上早い日程で最低賃金1500円を目指すことになります。
私たちの生計費は年々増加しており、近年の物価高騰は目に余るものがあります。
さらに社会保険料や税金の負担も増えて、私たちの生活はますます厳しくなっています。
最低賃金法の目的は労働者の生活の安定ですから、労働者の生計費をきちんと算出して、これに基づいて最低賃金を決めることは当然ですが、あと5年で最低賃金1500円にするには過去の上昇率を鑑みるとかなり難しい目標だと思われます。。
令和6年度地域別最低賃金改定状況は下記から確認可能です。
地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)