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定額残業制導入の運用条件とは

固定残業代

定額残業制度】を導入する場合の適切な運用条件を見てみましょう。

➀給与明細に定額残業代を独立して記載する。例えば【残業代固定部分※20時間相当】等の記載。

➁労働時間の管理を適切に行い、定額時間を超えた分に関しては別途支払う。

➂賃金規程や雇用契約書に定額残業代の名称を記載しておく。(異なる名称を記載しない。)

 

近年、固定残業制度に関する最高裁の判決として、テックジャパン事件や医療法人社団康心会事件、日本ケミカル事件がありました。これらの判決を鑑みると、基本給等の通常の労働部分と定額残業代の部分とが判別できる必要があります。最も好ましいのは、給与明細で明確に基本給と固定残業部分を独立して記載することです。

給与明細で明確に基本給と固定残業部分を独立記載されていない場合で、基本給や各種手当に固定残業代が含まれていると会社が主張するのであれば、少なくとも賃金規程や雇用契約書で一体いくらの定額残業分が基本給や手当に含まれているかが明示されていなければいけません。(ただし時間数を明記することまでは求められていないようです。)

適法に固定残業手当を導入するために、例えば固定残業代の計算根拠を雇用契約書に示しておきます。残業単価計算×時間数=固定残業代としてそれを超えたら差額を支払う旨の記載をします。又、給与規程に固定残業代の中に深夜分・休日分を含むかどうかを記載します。深夜分や休日分は別途支払った方が従業員思いの規程になるでしょう。

今般の労基法改正で時間外労働の上限は原則1ヵ月45時間(改正労基法36条)となった為、定額残業部分は当然45時間以内に留める必要があります。又、雇用契約を結ぶ場合や新しく定額残業制度を導入する場合は対象となる労働者に対して十分な説明をすることが重要です。

又、定額残業を導入しているから労働時間の管理をしていないという会社もありますが、定額残業分を超える残業に関しては別途残業代を支払う必要があります。例えば固定残業代を20時間分払っていて、対象の労働者が1ヵ月30時間の残業をした場合、差額である10時間分の残業代を支払う必要がある為、注意が必要です。

➔現実の時間外労働により発生する割増賃金が固定残業手当を超えた場合に、固定残業手当しか支給せず、それを超えた差額賃金を支給しないということは違法であり、このような場合、労働者は差額賃金を請求することが可能になります(S63.10.26 大阪地裁 関西ソニー販売事件、S63.5.27 東京地裁 三好屋商店事件)。

 

上記の要件を満たすことなく、定額残業制度を導入することは、極めて危険です。労働基準監督官に指摘されて、遡及払いの勧告をされるだけでなく、労働者との紛争になった場合、会社が負ける可能性が極めて高くなります。就業規則や規程の整備をすることが求められます。

 

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