医療機関の労務問題

医療機関 労務問題

病院等医療機関では様々な職種の方が働いています。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、栄養士・・・等資格を持つ方が多く働いています。看護師やその他の職種でも女性が多い為、職場に占める割合が多いのが特徴です。

 

主な労務面の問題

➀様々な専門職が混在している
医療機関には様々な専門職がおり、職種によって処遇や労働条件がかなり異なります。複数の職種、処遇の人たちを統一的に管理するのは非常に困難です。職員が納得して安心して働くことができるように、就業規則、給与規程等で労働条件を明示し、労使間のトラブルを未然に防止することが必要です。

 

➁労働時間の管理が難しい
急患、入院患者の様態の急変等、いつ何が起こるかわからない為、労働時間の管理が難しいことが多いです。又、早番、遅番等のシフト時間管理、入院病棟の交替制勤務(2交替、3交替勤務)、夜間勤務、準夜勤など様々な労働時間を管理する必要があります。さらに看護師や一部の職種が不足している病院が多いと言われており、長時間労働に繋がっている場合があります。子育て支援などの働きやすい職場つくりへの取組や、教育研修、有給休暇の取得促進等をすることで結果として離職や求人対策にもなります。

 

➂就業規則等規程類の未整備
ある程度大きい病院であっても昔の就業規則を改定していないまま使用していたり、他の医療機関のものを写して使用していたりと実態に合っていない場合があります。又、小さいところだと就業規則自体が無い事業所もあります。

 

➃医療機関のトップの労働法関連の知識不足
医療機関の長になるのは大抵の場合医師であり、医師としての診断ができるだけなく、そこに属する看護師や様々な職種の方たちが、良い環境で働いてもらうための基礎的な労働法関連の知識も必要になります。ただ医師は最新の医療技術を素早く習得する必要がある為、それ以外のことについて勉強する時間が取れないと思います。しかし、事業主となっている以上、労務管理の基本的なことを理解しておく必要があります。

 

その他にも医療機関独特の労務問題が存在します。労務問題については専門家の社労士に相談することをお勧めします。